ハングルは母音と子音の字母を組み合わせて文字を作るのが特徴だってことは、「韓国語と文字」の「母音、子音の組み合わせ」って項目でも触れた通り、日本語と同じ形の「子音+母音」に加えて「子音+母音+子音」「子音+母音+子音+子音」といった、子音で終わる、日本語には無い組み合わせでも使われるよ。
で、この母音と子音の組み合わせのうち、最初の子音を「初声」、真ん中の母音を「中声」、最後に来る子音を「終声」って言うんだけど、その「終声」のことを「パッチム」(받침)と呼ぶよ。「受けるもの」って意味です。文字を受けるもの。だから、終声の子音字は「初声」+「中声」の下に受けるように書きます。
初声(子音)+中声(母音)+終声(子音)
初声 (子音) + 中声 (母音) + 終声 (子音) ㅅ[s] + ㅏ[a] + ㄴ [n] = 산 [san] (サン) |
初声(子音)+中声(母音)+終声(子音)+終声(子音)
初声 (子音) + 中声 (母音) + 終声(子音) + 終声(子音) ㅅ[s] + ㅏ[a] + ㄹ[l] + ㅁ[m] = 삶 [salm]* * 実際は [sam] (サム) |
パッチム(終声)が1文字の子音字母は全部で16文字、2文字の子音字母は全部で11文字あるんだけど、その発音については次の7種類に集約されて、それぞれの代表音で発音されるよ。
代表音 | [発音] | 終声子音字 |
ㄱ | [k] | ㄱ, ㅋ, ㄲ (ㄳ, ㄺ) |
ㄴ | [n] | ㄴ (ㄵ, ㄶ) |
ㄷ | [t] | ㄷ, ㅌ, ㅅ, ㅆ, ㅈ, ㅊ, ㅎ |
ㄹ | [l] | ㄹ (ㄼ, ㄽ, ㄾ, ㅀ) |
ㅁ | [m] | ㅁ (ㄻ) |
ㅂ | [p] | ㅂ, ㅍ (ㅄ, ㄿ) |
ㅇ | [ŋ](ng) | ㅇ |
なので例えば、「악」, 「앜」, 「앆」は全部パッチムが異なるけど、パッチムの発音「ㄱ」[k], 「ㅋ」[kh], 「ㄲ」[k’]は、代表音「ㄱ」[k] に集約されて、全部同じ発音「악」[ak] となるね。
コメント